粗暴粗野なカー用品の業界を変えるために、28歳の時に起業。
それが、全国的な知名度を誇るカー用品店“イエローハット”だ。
彼は、業界の改革に着手。
過剰在庫を廃止するために流通センターを作り、取引において手形を使わず現金払いをすることを徹底し、社員教育を重視し、掃除を徹底した。
今では業界が一変し、小売が過剰在庫を抱える構造はなくなり、現金払いが通例となった。
彼が経営をする上で重要視してきたのは、社風。
規則や規制を作っても、結局人は規則では無く、その社風によって行動が決まるという。
さあ・・・日本を美しくする会 相談役 鍵山秀三郎様の登場です!
「何を守るのか?」
20歳の時に、車の部品を販売するデトロイト商会に入社した。
この頃は業界全体が粗暴粗野でね。
油まみれでお店が汚かった。
だから、私が朝早くから掃除していたのですが、「余計なことするな」と先輩からいじめられた。
「掃除しても売上が上がるわけがない」と経営者からも言われる始末です。
お客様が来店できるようにきれいにして、きちっと対応できる店にしたかった。
それに当時は業界全体がそうだったんですが、雪が降るとタイヤチェーンの値段を10倍、20倍にするような、相手の足下を見た商売をしていたのです。
でも、私はこれがたまらなく嫌で、せめて自分がいる店だけはそういう事はしたくないと考えながら働いていました。
掃除も続けるうちにだんだんと周りの反応も変わってきて、お客様の層も良くなっていきました。
自分のやっていることが認められていき、東京だけだった商圏を新規開拓して全国に広げていきました。
しかし、経営者が変わらないとお店は変わらない。
業界の悪しき慣習を打ち破りたいという想いが強くなり、28歳の時にイエローハットの前身となるローヤルを立ち上げたのです。
平成9年に一部上場に至るまで、人に陥れられたり、自ら招いた苦境だったりと挫折の連続でしたね。
一番大変だったのは、昭和51年に、売上の6割を占めていた当時隆盛を極めていたビッグストアに対する
取引停止をしたことでした。
多くの会社がそうだったのですが、この取引を続けていたら、私が大事にしてきた社員の心が崩壊し更に社風までもが壊されると思ったのです。
だから自分から取引停止を申し出ました。
そこから、陰湿な嫌がらせが続きました。
でも、人間というのは不思議な能力があって、苦境な時に絶望に陥ることなくその苦境を新たな創造へのエネルギーに変えていく勇気を持てば、今まで見えていなかったことが見えるようになるのです。
努力を続けていると、人が見逃すような製品を見つけ出すことにもつながります。
そうやって大ヒット商品が生まれたのです。
それに、会社や取引先、お客様を守ろうと思うとエネルギーが沸いてきて、3日続けて寝れない時もありましたが耐えることができたのです。
結局何を守ろうとしているかが大事で、自分を守ろうとしているとエネルギーは弱くなるのです。
そうして、危機を乗り越えていきました。
日常のやるべきことをきちっと継続していると自然と目標は生まれてきます。
それに、はっきりとした明確な目標を持つと手段もおのずと見えてくるものです。
すぐに結果にはならないかもしれないけれど、継続すればいずれ必ず努力した以上の結果はついてくるのです。
◆NPO法人 日本を美しくする会|掃除に学ぶ会
http://www.souji.jp/
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