光学式のレコードプレイヤーは日本のメーカーの間でも実現不可能と言われていたが、本日登場のスゴい人!は、その技術に惚れ込み、事業化することに踏み切った。
レコードは、規格や製造工程の違い、保存状態などに大きなバラつきがある。
製品化の開発にあたっては、その全てを再生できるようにするために7年もの時間を要した。
現在は製品に対する問い合わせが、日本国内のみならず世界中から殺到している。
さあ・・・株式会社エルプ代表取締役社長 千葉三樹様の登場です!
「お客様の喜びの声に励まされて」
GEでは、家庭用電子機器本部の担当副社長に就任しました。
その部門は、当時1日に1億円の赤字を垂れ流していたため、これを止めることが私の至上命題だったのです。
事業本部には、米国だけでも4万人程の社員がいました。
まずは、リストラに着手。
その中には恩義を感じていた人もたくさん含まれていました。
本当に胸が引き裂かれる思いがしましたが、事業の立て直しのため、断行したのです。
また、円安の時代でもあったので、製造を、品質面でも優れていた日本の会社に任せることにしました。
最初は断られましたが、松下幸之助さんに直談判して何とか話がまとまりました。
ようやく事業の建て直しに目処がついて会長であるジャック・ウエルチに報告に行くと、もうフランスの会社に100億円で売却することが決まったと言われたのです。
「事業を高く売るために私にリストラをさせたのだ」
とピンと来ました。
腹立たしいやら悔しいやらで、気づいたら会長に「バカヤロー」と叫んでいたのです。
私は、製造を請け負ってくれたメーカーへの支払いを条件に会社を去ることにしたのです。
日本に帰国後、友人からの紹介でレコードを針を使わずにレーザー光線で再生する「レーザーターンテーブル」にめぐり会いました。
送られてきた試作品を見て「これは、画期的な技術だ!」と思い、日本の電機メーカー各社を開発発表会に招待しましたが、結果はどのメーカーも事業化に手を上げませんでした。
時代は平成元年。
CDが広まっている時だったのです。
しかし、私はこの素晴らしい技術に惚れ込んでいたので、自ら事業化することにしたのです。
この技術を製品化するにあたっては、ゼロからのスタートでしたので本当に大変でした。
中心部の部品が日本では作れなかったり、製作用の機械を開発したり、
品質が安定しなかったり…。
資金繰りに苦労することもありましたが、約7年の歳月をかけ、ようやく製品が完成しました。
カナダの国立図書館に第一号機が売れた時に、設置するため製品を持参し訪問しました。
針からレ-ザ-に変わる歴史的な日と大勢のマスコミの人達が待機していました。
設置後、レコードを再生することになりました。
そのレコードはカナダがイギリスから独立した時のスピーチが録音されていましたが、溝が擦り切れていて再生できず、現在のカナダ人は誰一人内容を聞いたことが無かったのです。
注目が集まる中、無事再生ができた時に館長や集まった記者達が手を叩いて喜んでいる姿を見て、それまでの苦労が一瞬で吹っ飛びました。
感激しましたね。
お客さんの喜びの声に励まされて事業を続けています。
◆株式会社エルプ
http://www.laserturntable.co.jp/
※一部携帯では見られない可能性があります。