1960年、大学を卒業後、当時はまだ売上100億円程度だったソニー株式会社に就職。
以後、スイスやフランス駐在を含む様々な部署を経験し、1995年、取締役からソニー株式会社の社長に抜擢された。
その後、ソニー株式会社最高経営責任者、ソニー株式会社会長、内閣官房IT戦略会議議長、社団法人日本経済団体連合会副会長、ソニー株式会社最高顧問などを歴任した。
グローバルに活躍し、誰もが憧れる存在となった彼だが、平社員の時代には思うように行かない事もたくさんあった。
彼が上手くいかないときに心がけていた事とは?
さあ・・・ソニー株式会社 元会長、クオンタムリープ株式会社 代表取締役 出井伸之様の登場です!
「ポジティブアプローチ」
子供の頃はリーダー気質ではなく、大人しく内気な子でした。
リーダー役をするようになったのは大学で自分の興味のあることを選択するようになってからですね。
僕が入社した当時、ソニーはまだ小さな100億くらいの会社だったのが、辞めるときには900倍になり、大きく変わっていく時代を経験して来ました。
僕は、サラリーマンにしては物事をはっきり言うタイプだったので、会社組織の中では挫折も多かったですよ(笑)
何年に一度かは自分が希望していない部署に行く事もありました。
でもどんな所に行っても、どんなにつらいときも、“Happyな顔をして働く”ことを心がけていましたね。
楽しそうに働いていなければ周りの人にも迷惑ですから。
その時に「上から目線で物を言わない」大切さも知りました。
結果として、こう振舞っていた事でまた上へのぼるチャンスをもらいました。
今思えば、色々な場所を経験したからこそ人脈も広がり、そのポジションでなければ味わえない事を経験した事が、後で役に立っていました。
大事な事は、自分の好きなことの道を究めること。
何かを1つでも究めれば、周りの人から認められます。
その上で、好きなことを増やす。
時間を使えば何だってできます。
だけどそれをやる人が少ないから、やる事で一歩前へ出る事ができるのです。
僕が常に心がけているのは、仲良しのフランス人から教えてもらったこと。
「あなたは物事のネガティブなポイントを見すぎるから、アプローチをポジティブにしなさい」
ネガティブな事はどうしても目に付くけれど、ネガティブな部分を自分の頭の中で列挙した上でそれは言葉に出さず、「こうした方が良い」とポジティブにアプローチした方がみんながHappyだと彼からアドバイスされて、そのようにしています。
僕はソニーという会社に育てられたので、僕が育てられたように、これからは、自分が学んできたことや対極で物事を考えること、そのようなことをこれからの人たちに伝えていきたいです。