“津軽三味線”
青森県の津軽地方で主に民謡の伴奏として成立した音楽。
この津軽三味線の最も権威ある大会で昨年、最年少で優勝した人物が、本日登場する。
12歳から津軽三味線をはじめて、1年後には数々の大会で優勝を果たし、昨年2012年には大学生にして日本一に輝いた。
彼は、他のジャンルの音楽を津軽三味線に取り入れるなど三味線の可能性を日々探求している。
彼が三味線に懸ける情熱とは?
さあ・・・工藤流 藤井黎元様の登場です!
「圧倒的な表現をするということ」
三味線に関して挫折というものはなかったし、つらいと思ったこともないけれど、普通では考えられない程厳しい練習をしてきた。
他の奏者より上手くなることや三味線という芸術を追究することに、興味があった。
新しいものを生み出すためには、受け継がれてきた技術や文化を深く知る必要がある。
だから僕は、伝統や歴史を大切にしている。
津軽三味線の本質を理解して、残す部分と、進化させる部分を理解しないといけないからだ。
津軽三味線奏者なら津軽民謡をきちんと弾けなければいけないと、いつも自分を戒めている。
三味線は、民謡の伴奏楽器として生まれてきたものなので、ロックやジャズと単純に一緒に演奏するだけでは、エンターテイメント性は高いかもしれないが、伝統もなにもなくなってしまう。
しかも取り入れる音楽も、民謡も、中途半端だったら意味が無い。
自分もよく他のジャンルの音楽を取り入れるので、次世代型三味線奏者と評価されることも多いが、津軽民謡について100年前まで遡って勉強して、津軽三味線の本質は何かを理解をするように努めている。
他ジャンルの音楽技法1つを取り入れる場合も、完璧な技術や奏法を追求しすぎて指を怪我してしまうこともあった。
研究するために音楽を聴きすぎて、精神的にまいってしまうこともあった。
でも、決してそれをつらいとは思ったことは無い。
全ては良い演奏をするためだからだ。
これから先も、一にも二にも上手くなることしか興味がない。
相対的な評価を気にするのではなく、独創的に音楽を追究していく。
誰も追いつけないようなところまでたどり着きたいのです。