「i-mode」
NTTドコモが開発した、専用携帯電話を使用して電子メールの送受信やインターネット上を含むウェブページ閲覧などができるサービス。
携帯電話によるサービスとしては先駆的なもので、このサービスの開始後に、他社も同様のサービスを提供し始めた。
日本のこのシステムは、世界中のモバイルビジネスのモデルケースとなっている。
本日のスゴい人は、このi-modeを立ち上げた人である。
NTTドコモに入る前はベンチャー企業を立ち上げ、副社長として活動していた。
ベンチャー企業の倒産、離婚も経験し、どん底の状況から、大企業のNTTドコモへ入社。
その後i-mode立ち上げから最年少役員へとのし上がった。
ベンチャー時代とNTTドコモ時代、どのような変化があったのか教えて頂きましょう。
さあ・・・慶應義塾大学政策・メディア研究科 特別招聘教授・株式会社ドワンゴ取締役 夏野剛様の登場です!
「一寸先は闇」
元々は東京ガスでサラリーマンをしていました。
MBAを取るためにアメリカの大学へ進み、その時インターネットとビジネスがつながる講義があり、これだと思いました。
MBA取得後日本に戻り、IT関連のベンチャー企業に参画し、後に副社長になりました。
この会社はアイデアもよく、通産大臣賞ももらうほど評価され、提供していたサービスの会員も20万人以上集まっていました。
けれど、結果的に資金が回らなくなり、坂を転げ落ちるような感じで倒産しました。
この間、役員なので数か月給料も出ない状況が続き、離婚もして、本当にどん底の状態でした。
1997年に松永さんのお誘いがありドコモへ入社。
そこでi-modeプロジェクトに関わりました。
自分を奮い立たせるというのは余裕がある人のセリフ。
とりあえずやって結果を出すしかなかったです。
今度は絶対につぶさないという意識で臨み、ベンチャーの時の失敗経験をフル活用しました。
この時出した指針は『i-modeストラテジー』という本に記載しています。
i-modeはモバイルのビジネスモデルの成功例として引き合いに出されることも多いです。
しかし、この指針はベンチャー時代の思想と全く変化はありませんでした。
能力的に変わった訳でもなく、ビジョンも変わっていないのに、i-modeは世界的に大成功しました。
「一寸先は闇」というのをよく自分に言い聞かせています。
良くも悪くも、未来は分かりません。
同じ事をやろうとしても、その時の環境や時流など様々な要因が重なって上手く行くこともあれば上手くいかないこともある。
「正しいこと=成功すること」ではないのです。
先入観を持って決めてかかるとロクな事が無いというのは、身をもって実感しました。
だから、失敗した時でも、腐らず時間を惜しまず、今、最大限の努力する事が大切です。
また、努力をするためにも、好きな事をやる事をお勧めします。
“好き”というのは力が湧き出て来るものですよ。