8歳で芸能界デビューを果たし、中学3年生の時に出演したドラマ「人間・失格」で人気に火がつき、売れっ子俳優となった。しかし、27歳の時に突然芸能活動を休止し、復帰後に、映画監督としてデビューを果たした。
常に自ら道を切り開いてきたが、日々、理想の自分とのギャップを感じていたという。理想の自分に出会うための秘訣とは。
さあ・・・映画「DON’T STOP」監督、小橋賢児様の登場です!
「自分の感性で決める」
両親が共働きだったことで、「自分の感性で決めて行動する」という習慣が幼い頃から身についていましたね。
8歳のときに、好きな番組のオーディションに自分で応募しました。受かるのが1000人中8人という中、運良く合格して芸能界デビューしました。
その後、芸能活動は順調で、ドラマの出演など仕事が一気に増えていきました。
でもオファーが増えていくと、心ではNOという仕事でも割りきってやるしかなく、少しずつ本来の自分とのギャップを感じていきました。
そのうち、これまで大事にしてきた自分の感性や感情に蓋をするようになり、気持ちがどんどん沈んでいきましたね。
「活躍すごいね!」と周りに言われれば言われるほど辛かったです。
そんな時期、一人旅で訪れたネパールで、現地の青年との出会いが僕に大きな気づきをくれました。
同い年の彼は、娘を学校に行かせられないくらい貧しい。でも、奥さんと子供とめちゃくちゃ幸せに暮らしている。
夕日の見える丘にバイクで連れていってくれた彼の背中がとても大きく見えて、気がついたら号泣していました。
そこから僕の中で価値観が変わり、芸能界でのポジションとか良いところに住むとか全く興味が無くなりました。
そして芸能活動を休止し、1年間のアメリカ留学を決めたんです。
帰国後は復帰をせず、29歳のときには仕事もお金も彼女も全て失いました。ストレスで病気もしました。ある意味どん底でしたね。
これはまずいと思い、体から健康になるために、プロのライフセーバーがやるようなトレーニングを毎日こなしました。
3ヶ月のトレーニングの末、「30歳の誕生日までに最高の状態に戻る」という目標を達成しました。
30歳の誕生日は、自分で主催したバースデーパーティーで仲間と盛り上がりました。
数ヶ月前と外的なものは何も変わらないのに、心から幸福感が湧き上がって来たのをよく覚えています。
それからは、蓋をしていた自分の感性に向き合うようになり、付き合う友達も変わりました。
-そんな中、今回、初監督をさせてもらった映画のお話をいただきました。
この映画では、「誰しもが、自分の中にある障がいを言い訳にやりたいことをあきらめていないか?」ということをテーマに、自分の可能性を信じてほしいというメッセージを込めています。
若い人には、「20代のうちにどんどん失敗をしろ」と伝えたいですね。
失敗を重ねた先に、自分にしかできない職業が必ずみつかるはずです。