BMXとは、小径の自転車とそれを使用して行われる競技の事である。
本日のスゴい人!はその中のFLATLANDと呼ばれる平らな場所で行うフリースタイル競技を専門とし、数々の世界大会での優勝経験を持つ。
2010、2011年にはBMX全種目のプロライダー500人による投票で決定されるNORACUPでその年に最もBMXに貢献した人物として日本人で初めて2年連続世界No.1ライダーに選ばれた。BMXにかける思いを披露していただこう。さあ・・・BMXライダー佐々木元様の登場です!
「誰よりも練習する」
BMXを始めたのは高校2年生の終わりでした。テニスの推薦で高校に入学したものの、過度な練習によりヘルニアになり、テニスを出来なくなってしまいました。
病院へリハビリに行った帰りに通りがかった公園で偶然BMXの練習を見かけ、やってみないかと誘われて始めました。スポーツが出来るという嬉しさと楽しさでそれからは寝る間も惜しんで練習をしました。
20歳手前で、全日本選手権1戦目のアマチュアクラスで3位を取り、プロへの道が見えた直後にヘルニアを再発。
治っては練習ししばらくするとまた再発するという日々を3ヶ月ほど繰り返し、ついに自転車から完全に離れることになりました。それから9ヶ月間、ふさぎこんで働くことも出来ず、他の人の競技の様子やブログなどは見られまんでした。
翌年の全日本選手権1戦目。久しぶりに仲間の競技する姿を見ようと会場へ行くと、「折角だから出場すれば」と勧められ全く練習をしていない状態で出場しました。
予選をギリギリで通過し翌日の決勝でノーミスの演技をして奇跡の優勝。念願のプロ入りを果たしました。まさか優勝するとは思っていなかったので、その時は何が起きたのか分からなくて優勝したという実感を持てず、仲間と余韻に浸ることも忘れてすぐに家に帰ってしまいました。
3ヵ月後、プロ初参戦の大会で日本一になることができました。
プロとして初めて海外の大会に出場した時に大敗をしてしまい、海外の選手と戦うには日本での天候不良などが練習の出来ない言い訳にはならないと痛感しました。
それからは24時間世界では誰かが練習をしていると考えて、時間さえあれば練習をしています。誰よりも練習していることが自信にもなるのです。
成功したか否かに関わらずBMXを好きで始めたことは自分にとってプラスだったと思います。
自分の好きなことに出会ったなら、それがきっと自分の成長につながるから、信じてやり続けることが大切です。
今はまだ日本でのBMXの認知度が低いため、スポーツとしてのBMXを確立して小さい子供達が興味を持ったときに始めやすい環境作りを目指しています。
そして20年、30年後にFLATLANDがオリンピック競技になった時に未来の選手のモチベーションとなれるよう、記録や新しい技を作り続けてレジェンドと呼ばれる選手になりたいです。