“ラ・ベットラ落合”
グルメな人じゃなくても知っている人は多いのではないだろうか?
一時期、予約がほとんど取れない店として知れ渡り、ランチタイムでさえも予約の争奪戦が行われると言われたほどの人気店である。
開店して15年の間、トップレベルの人気を保ち続けるイタリアンレストランを創り上げたスゴい人が登場だ!
さあ・・・ラ・ベットラ シェフ、落合務様の登場です!
「自然体でカッコよく」
高校に入学し、1年もたたず辞めたくなった。とにかく、つまらない。
でも、両親に言うには理由がいる。そこで考えたのが、“料理人になる!”ことだった。
父親に連れて行ってもらった街の中華料理屋のオヤジをカウンター越しに見ていて、中華鍋を魔法のように動かしている姿がカッコよく見えたのが頭の中に残っていたから、思いついたのかも知れない。
だけど、正直、辞められれば理由はなんでもよかった。
無事、高校を辞めフレンチの店に務めた。
なぜ、フレンチか?それは、高い帽子がカッコ良かったから。
ニューオータニホテルのフレンチで働くようになってから、ある疑問が自分に湧いてきた。
「本当に、本場フランスでもこんな本のような料理を出しているのか?」
会社に無理を言って休職して、フランスに飛んだ。やはり、本場は違った。
何日も食べまわり、本当に、勉強になった。帰国の際、チケットの関係で、あと4日、滞在期間が伸びた。
このままフランスにいてもいいけど、近いという理由だけで、イタリアに寄ってみた。
衝撃だった・・・。料理が、酷い。メインだけで付け合せもなく、ナイフやフォークは投げるように渡され、盛り付けも酷い。フランスと違い、イタリアンは最悪の印象。
4日間、ありとあらゆるレストランを回って、酷くないイタリアンを求め続けて、ハっと気づいた。
「酷いけど、マズくないし、料理も飽きない」
この瞬間、イタリアンレストランをやりたい!って思った。当時日本には、まだ本格的なイタリアンの店も無かった。
そして日本に帰国してから、1982年に赤坂にオープン予定だったイタリア料理店“グラナータ”の料理長のお話をいただいた。
オーナーは自分ではなかったが、1年間、お客が来なかったのは辛かった。しかし、日本にいるイタリア人がどんどん来てくれ、2年目には、もう予約の取れない超人気店になっていた。それから自分の店を持ち、15年。開店から今まで、1度たりとも料理の値段を上げてない。“お客様を失望させたら次はない。”と考えているからです。
今までもずっと自然体でやってきた。これからも、カッコいい大人と言ってもらえるよう日々楽しんで、自然体でいたいと思います。