東京の元赤坂の一角に“知る人ぞ知る”レストランがある。
1966年に開店し、三島由紀夫、石原裕次郎をはじめ錚々たる面々が通い詰めた。
今では、祖父、父、孫の3代で通っている客も大勢いるという。
多くの人にこよなく愛される続ける店作りの秘訣とは?
さあ・・・レストランカナユニ オーナー、横田宏様の登場です!
「かなりユニーク」
大学を卒業してスイスのコンピュータ会社に勤務をしていました。
ある時、スイスの本社に出張に行くことになり、2、3ヶ月欧州に滞在したんですよ。
そこで、人生が変わりました。スモークサーモンを生まれて初めて食べたのです。東京ではちょうどオリンピックが開催された時。
スモークサーモンを食べさせる店を私は知りませんでした。「こんな美味しいものがあるなんて。」と感動しました。
また、チューリッヒに行った時、鹿肉のシチューが有名なレストランがあり、引越しのためシチューを作る鍋をもういらないと言っていたのです。
その鍋は100年以上使っている年代物です。おもいきって『いただけますか?』と聞いてみたら、もらえることになりました。
この鍋を使って、東京でレストランをやろうと考えました。
レストランの名前「カナユニ」の由来は“かなりユニーク”を省略したものです。
オープンして45年間、ユニークなことをするためにチャレンジし続けてきました。
日本で初めて、ボジョレ・ヌーボやサングリアを提供したり、鍋で食べるビーフシチューを作ってみたり、夏に食べる、鳥取産の大粒のカキを仕入れたり。
上手くいったものもあれば、失敗したものもありました。
例えばボジョレ・ヌーボーは、「ワインは熟成させて飲むもんだ」ってお客様からお叱りを受けたりしました。
当時のお客様は、厳しい方が多かったのですが、多くのことを教えていただきました。
サービスとは、お客様の目的達成を手伝うことだと思います。
お客様が今日は接待をされているのか?それとも、結婚記念日を祝う食事の場なのか?を瞬時に察知をして、“居心地の良さを”を提供することを大切にしてきました。
今日、カナユニに来ていただいて、『本当に楽しかった』と思ってもらえるように、最高のサービスと料理をこれからも提供していきます。