冷戦崩壊の立役者ゴルバチョフ。
20世紀最高のバレリーナ マイヤ・プリセツカヤ。
今や押しも押されぬ世界のマエストロ ゲルギエフ。
数々の有名人のインタビューをこなし、21世紀の歴史に刻まれる証言を引き出してきた。
著名な人々と友達付き合いを楽しみ、心の本音を聞きだし、その記録を残すことができた彼の生き方とは・・・?
さあ・・・小林和男様の登場です!
「ダメもと精神、種を播け」
大卒でNHKに入社し、各部での経験を積み、NHKの一番若い特派員だとおだてられ胸を張って意欲満々でロシアに赴任したのですが、共産主義の報道統制は生易しいものではありませんでした。
北朝鮮に行って活動が出来ないのと同じことです。
しかしそこで逆にロシアを良く知るきっかけを掴みました。ロシアには意外にぬけたところがあって常識では出来っこない事が出来るということです。
夜が明けないうちにお墓に潜り込み、誰も撮影し得なかったフルシチョフ元首相の葬儀を撮影する事に成功し、これが世界的なスクープになったのがきっかけでした。
以来、私のモットーは“ダメもと精神、種を播け”になりました。
そしてインタビュー実現が難しいと思われる相手にも辿り着けるようになりました。
しかし、いざインタビューとなっても本当に心を開いたインタビューや付き合いをするのは簡単ではありません。
ことに、相手が大統領や首相といった地位にある人の場合は難しいです。
私はそうした仕事はゲームだと考えています。ゲームは難しければ難しいほど解いたときの喜びは大きいですね。
仲間には
「ロシアでの仕事はゲームを楽しむ感覚でやらないとノイローゼになる」
と言ってきました。
例えば、大統領とのインタビューを実現させる過程などはインタビューそのものよりもドラマチックです。過程すら楽しむ事。
しかし何もかもが楽しいことばかりというわけでもなく職場でも必ず上司に恵まれるとは限りません。私も酷い目に遭い辞めようと思った事があります。
しかし、どう考えても私の方が正しい。辞めたらダメな上司の方が喜ぶだけだと思った時に、ストレス解消方法を考え、生き抜きました。ダメな上司はすぐに馬脚を露わし、ストレスを解消して精神的にも肉体的にも快調な私は評価の高い仕事をする事が出来ました。
今ではそのときのダメ上司に感謝しています。どこにでも成長の鍵は転がっていると思います。
ダメもと精神で種を播き、楽しんで生きましょう。