
大学時代は、カーレースに没頭。最少消費燃料で決められたコースを走れるかという究極のエコレース、第4回ヒルマンエコランで見事に全国優勝!スキー選手時代は年間70日以上も練習に費やすという活発な女性。彼女が人生を掛けて続ける“保護司”という役割。保護司としての長年の貢献が称えられ、瑞宝双光章叙勲も受賞。保護観察対象者を更生させるまでの道のりとは?さあ・・・新宿区更生保護女性会 会長 坂本悠紀子様の登場です!
「いつも元気でいてね」人生で人のために何かをしたいと強く思った。きっかけは、中学生と高校生の時にヘレンケラーさんにお会いしたことでした。目が見えず、口が利けず、耳が聞こえないという三重苦。歓迎のためにゆりの花を準備して、お迎えしました。私は心の中で「どうせわかっていないだろうな」と決め付けていました。3年後再び来日された折、又ゆりの花を準備しましたところ「今日もまたゆりの花の香りがしますね」ちゃんと伝わり、覚えて下さっていたのです。まさか伝わるとは思わず、本当に、本当に、驚きましたし、思い込みは良くない、人の話はしっかりと聞かなくてはいけないと猛省しました。大学時代は、YMCAで小児麻痺の子供を泳げるように手助けするボランティア活動に参加しました。カーレース、スキー、ライフル射撃に取り組み、結婚後は夫の後を引き継ぎ、保護司の仕事について34年になります。思い返せば、人生の約半分は、保護司の仕事をしています。今までに144人の保護観察中の方と接してきました。月に3回は、会ってお話をしなくてはいけないのですが、プツっと連絡が取れなくなったり、嘘をつかれたりすることが、多々ありました。そんな時は、郵便受けに、「今日も来ました」という短い手紙だけを残して、帰りました。そうすると、気持ちが通じて会えることもあります。どんな場合も、人間は問い詰めて、追い詰めてはいけないと勉強になりました。逃げ道は1つは残しておかないといけないんですね。保護観察中の人にはいつも、「元気でいてね」と声をかけています。元気でさえいれば、人生何とでもなるんです。私が見てきた人の中でも、立派に更生をされて、学校の先生や、会社の社長になった方もいらっしゃいます。いつからでも、再起は可能なのです。お体を大切に元気でいてください。