江戸時代の粋と息吹を浮世(現代)に語り伝える江戸文化研究家&時代小説家
平成の浮世(いま)。 江戸の面影なんてほんの微か・・・
そんな現代にまるで、江戸時代からタイムスリップをしてきたかのように江戸を語る女性がいる。
浮世絵に出会い、江戸の魅力にハマり 、研究の幅はどんどん広がり、今春には江戸料理の本を発刊。
江戸の息吹を現代に伝えることに使命を感じるという彼女。
“好き”という気持ちに正直になり、自分の可能性を強く信じたからこそ自分の使命感を見つけた。
まさに、好きこそものの上手なれ。
さあ、車浮代様の登場です。
「江戸に魅せられて」
物心ついたときから、絵本が手放せない子供でした。
鍵っ子だった私は、いつも、絵を描くか、本を読むか。初めて小説を書いたのは小学5年生の時です。就職し、アートディレクター、グラフィックデザイナーとなりましたがその間、自宅ではせっせと小説を書いていました。
ある日、とある美術館で浮世絵の摺師さんの実演を見て、一気に浮世絵にのめりこみました。
大阪で生まれ育った私には、江戸のべらんめえ口調と粋なしぐさがとても新鮮で、格好良く見えたのです。気がつけば江戸に惚れこんでおりました。
結婚して、地方都市でゆるやかに暮らすうち、「一度きりの人生、このまま終わっていいのか?」という焦りが芽生えました。
暇な老後はつまらない、死ぬまで意義のあることをやり続けて、「おかげさまで、良い人生を過ごさせていただきました」と満足して死にたい、と。
40歳で子宮外妊娠をし、子供をあきらめた時、ますますその思いを強くしました。「このままでは、生まれてきた意味がない。何も遺さず終わってしまう」と。
映画監督の新藤兼人氏からシナリオの教えを受け、コンクールで大賞を受賞したことをきっかけに、家族を説得し、単身で上京しました。けれど、フリーランスになったとたん、挫折の連続でした。
考えるより先に言葉が飛び出す関西人気質が災いし、余計なことを言っては軽んじられて、いいように使われたり、相手にされなかったり。「ええやん、ええやん、なんとかなるわ」で生きてきたツケが回ってきたことを実感しました。
貯金も底を尽きかけたころ、ベストセラー作家の角川いつかさんと出逢いました。私の境遇に同情してくださり、私の何がダメなのかをアドバイスしていただきました。
今こうして、大阪から江戸へと夢の足がかりをつけていられるのは、自分にとってプラスになる人々との出逢いと、夢を実現するのだという強い思いと努力――

そのために考え尽くし、やり尽くしているからだと思います。

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