どんどん市場が縮小してしまっている宝石業界。繁栄していたバブル期の約半分とも言われる。そんな業界で、飛ぶ鳥を落とす勢いの会社がある。赤字の家業を継いで固定概念にとらわれない選択を繰り返し、ジャスダック上場を果たす。
しかし、その裏には経験した本人でないと説明しきれない波乱の過去がある。ヤクザとの喧嘩。社員からの裏切り・・・。今となれば全ては彼の勲章である。
強く思い描いた夢、夢の実現のその先に彼が出会った天命とは・・・
さあ・・・株式会社サダマツ代表取締役社長貞松隆弥様の登場です!
「ジュエリーに愛と夢を込めて」
ミュージシャンを目指して夢見るさなかに親父が倒れた。家業の眼鏡屋を潰すわけにはいかず、長男の私は、思い切って債務超過の個人商店を継いだ。従業員は、休憩時間に求人誌を見ている状態。情けないではないか。負債を無くす事は勿論、彼らが誇りを持てる企業にしなければ。
狭い眼鏡業界の中、生き残る道を探すうちに、意外と昔から近しい業界にあった宝石屋としてのゼロからのスタートを切ることになり、当初から人に投資することを厭わなかったお陰で、随分とスピード感を持って流れに乗ることができた。
流れには乗ったものの、付きまとう不安。うまくいっている最中も幼い頃に聞いた祖父の口癖がよぎる。昭和50年代デジタル時計の量産によって、腕利きの時計職人から眼鏡屋への転進を余儀なくされた祖父。「何の仕事しても良いけど、無くならないものをやれ」
「要らんモンは無くなるぞ」
宝石って、本当に必要なのか?
そんな時、世界一の宝石研磨士、ギャビ・トルコフスキーさんに出会って、恥を忍んで私は質問をした。「宝石は人々の暮らしの中に本当に必要なのでしょうか」
私は素晴しい答えを頂いた。“ビジュー・ド・ファミーユ”(家の宝石)という習慣である。
ヨーロッパに古くから伝わる伝統。この世に唯一つ永遠な物である宝石に、家族の愛・夢・希望を託して大切な者へ継承する。まさに家族であり、恋人である宝石をまとい、犯罪を起こす気にはならないでしょう。この習慣で、昨今世間をにぎわす悲しいニュースを無くす事もできるのではないか私の不安は誇りに変わった。
私達は、微力ながらこのような想いと共に宝石たちと、お客様と接しているわけなのです。
この想いを一人でも多くの人に伝えるべく、私は日本からアジアを代表できる宝石ブランドを作り上げたいと思っています。