内藤大助、宇野薫、所英男。
第一線で活躍する格闘家たちが、次から次へと今日の男の所に集まってくる。
内藤大助の3度目の世界挑戦。
今日の男なくしては彼の勝利は無かっただろう。
選手として、決して若い訳ではない。
多くの日本人が勇気を貰った伝説の試合。諦めなかったからだけではない。
今日の男が自身のボクシング人生を賭けて習得した、世界チャンピオンになるための法則を伝授したのである。
今、格闘技界で最も注目されるトレーナー。
その原点には辛い挫折、苦悩が確かに存在した。
一度は諦めた人生。
しかし、人生は望んだ通りになる!
さあ、野木丈司様の登場です!
「素質は平等」
学生時代はマラソンの高橋尚子選手を金メダルに導いた小出監督との出会いもあり、陸上部に所属。
でも全てはボクシングの世界チャンピオンになるため。
忍耐力をつけるために一番向いているのが陸上だと思っていました。
満を持して高校卒業後にボクシングジムへ入門。
3戦3勝。夢が近づいてきたと思った時、無惨にも消えてしまったのです。
ジムの吸収合併によるトラブルによって10年間試合ができなかった。
いつか試合ができる日を信じて毎日練習を続けました。
でも諦める時が来ました。
自分のボクサーとしての「時」が過ぎ去ってしまったのをリアルに感じたのです。
それからは一生ボクシングには関わらない。
もう二度と熱くならないと誓い、スポーツクラブで働いていました。
しかし僕の人生を思いっ切り変えた出来事が、シドニーオリンピックでの小出監督と高橋尚子選手が、金メダルを獲って共に喜ぶ瞬間の映像です。
「俺も、こんな風になりたい!」
熱くならないと誓ったのに。でも、もう熱くなるしかなかった。そして内藤大助と出会いました。
2度も世界挑戦して敗戦。しかし、内藤は見事に3度目の正直で世界王者に輝きました。
僕が何をしたか?本当の練習をしただけです。世界チャンピオンになるための練習。
僕はどんな人でも素質は平等だと思います。素質の大きい小さいはあるかもしれない。
でも大きい人はその分磨く場所が広いんです。小さい人は小さいなりに磨く場所が狭いんです。
逆にチャンスなのかも知れません。
自分が頑張ろうと思えるように頑張る!
これが大事だと思います。