東京至極の名店を発信しつづける「東京カレンダー」の生みの親

あの『東京カレンダー』をゼロから立ち上げ、こだわり続け今では、誰もが知っている雑誌まで育て上げた男。新しいメディアを立ち上げるとは?新しい価値観はどう生み続けるのか?新しい情報とはどこに存在するのか?さあ、藤井雅彦様の登場です!

「ヒトノチカラ」
『東京カレンダー』という雑誌には、東京の良質なレストランを厳選して紹介するという方針があります。
そのために、スタッフは、毎夜毎夜、いいレストランを捜し求めて、“夜のパトロール”を行っています。
なんだか毎日、遊びながら仕事をしているように聞こえるかもしれませんが、スタッフからすると、自分の選択眼を試されているわけです。店選びにはこだわりもしますし、いろいろと苦悩を重ねる、決して楽な作業ではないのです。それでも、『東京カレンダー』は、その“目利き”の良さで、読者の皆様の信頼を得ているのですから、我々は、それをいつも肝に銘じて努力しなくてはなりません。そんな仕事だけに、「お店の良し悪しをどうやって判断するんですか」という質問をよく受けます。ミシュランガイドのおかげで、いまや東京は世界に名だたるグルメシティとなりました。数々の名店があり、そこからまた、さらに素晴らしい料理人が輩出されています。地方の漁港よりも築地の方がいい魚が揃っていますし、旬の京野菜が簡単に手に入ります。美味しい店は本当にたくさんあるのです。
ただ、それがお客様にうまく伝わっていかないのです。なぜでしょうか?問題はサービス面にあります。
『東京カレンダー』では、よくサービスに視点を置いて取材をすることがあります。
料理人の力量は、よく評価され、賞賛されるので、いい料理人というのはわかりやすいのですが、直接的に接客をするサービスのスタッフは、あまり評価の対象にはならず、結果、いいサービスマンというものは、あまり世の中でも注目されません。それをなんとか世の中に伝えたいのです。考えてみてください。
我々がレストランで出会うのは、料理人ではなく、サービスのスタッフなのです。その人柄がいいか悪いかで、その店の印象は大きく変わってしまいます。丁寧にもてなしていただくと、誰だって嬉しいし、料理も美味しく感じられるものではありませんか。逆に、客あしらいが雑な店は、厨房でどんなに美味しい料理が作られたとしても、テーブルに運ばれてくる間に、その味はすっかり落ちてしまうはずです。
つまり我々は、レストランに出かけた時、そこで料理を愉しんでいるというより、そこでのもてなされ方を愉しんでいるのです。サービスを提供する人の力がとても重要になるわけです。これは、なにもレストランに限ったことではありません。あらゆる仕事は、必ず人によって左右されるものです。人がいい力を発揮すると、必ずいい仕事になるのです。では、どうすれば、人はいい力を発揮できるのでしょうか。
それは、今、自分に求められていることが何かを、しっかりと見極めて、その瞬間、そのことに集中できるかどうか、ということじゃないか、と私は思っています。自分の役目はわかっていても一点に集中できていなければ、いい仕事はできません。ましてや自分の動き方をイメージできないのは論外です。
いい結果は、いつもイメージできるものなのです。
だから、そこに向かって、積み重ねていくべきことのひとつひとつに集中していけば、必ずいい形でゴールできるのです。いかがですか。
今、あなたにゴールは見えていますか?
いい力、発揮できていますか?

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