【穂刈 久米一】260年続く浅草の銘菓「雷おこし」を守り続けるスゴい人!

穂刈 久米一

浅草の銘菓で知られる「雷おこし」
江戸時代後半から販売されている、歴史あるお菓子である。
観音様詣でのおみやげに無くてはならないものだ。
“おこし”の名を「家を起こす」「名を起こす」に掛けて、雷おこしを買うのはまるで大吉のおみくじを引くような縁起物だとも言われた。

原材料に最高品質の米を使い、砂糖を主体としたソフトな仕上がり。
最近ではメープルココナッツを使った若者にも大人気の商品もあり、今も多くの人に愛され続けている。

今の店主である本日のスゴい人は、75億円の借金からスタートしたという。
何故、彼はこんなにも莫大な借金を背負う覚悟を決められたのか。

さあ…
株式会社常盤堂雷おこし本舗
代表取締役社長
穂刈久米一様の登場です!

「世襲は背中で魅せる」

浅草って町は東京の田舎なんだよ。
銀座や新宿で商売している人は家が他にあるでしょ。
浅草で商売する人は店の上に住んでるんだよ。
俺もゴロゴロ会館というお店に住んでる。

継ぐ気はあったけど、他に修業に行くものだと思ってたら、「お前は辛くなったら俺の会社に戻れるという逃げがある。そんな社員を抱える社長は可哀想だからやむなく俺が雇ってやる」と父から言われ、大学卒業後すぐに工場勤務。
俺は浅草と家業しか知らないから、すごく視野が狭いと思うんだ。
でもね、俺が36歳の時に継ぐ事になったんだけど、それを考えると外に行ってる時間は無かったかもね。
財務をみたらびっくりだよ。
75億円も借金があり、毎月の給与支払いは8千万円。
それで当時は札幌や大阪にも展開していたけど、浅草土産に地方店舗は必要ないと閉鎖したんだよ。
だって折角浅草に来てお土産を買ったのに、地元に戻ったらまた同じものを売ってるって変だろ。
従業員を解雇する時は本当に辛かった。
だって社長は父さんで、従業員は子どもの様なものだから。
今は借金のうち40億円を返し、経営は安定している。
月に1回必ず全従業員と同じ釜の飯を食べる意味で、朝食を食べてるんだ。

「ギフトはデイリーから」というモットーがあるんだけど、自分が食べて美味しいから大切な人にも食べてもらいたい。
だから、菓子職人として美味しいおこしを作り続けてるんだ。
家も店舗の上で社員の視線も気になるし、町を歩けば知り合いだらけ。
ちょっと息抜きに週末の朝だけは湘南にサーフィンしに行くのさ。
波に乗って富士山見てね。
昼から大好きな雷門の隣の店舗に立つんだ。

今の雷門は昭和35年5月1日に再建されたんだ。
空襲で焼け野原になり、雷門全体は松下幸之助さんが寄贈し、共に首だけ残った風神雷神像の身体を寄贈したのがうちの爺ちゃん。
そして、俺はこの年の8月に生まれた。だから雷門と俺は同じ歳。
お店も雷門も本当に俺の宝物なんだ。
生き残ってきたのも、1000円のモノが1000円で売れるこの直営店があったから。
穂刈家を守ってくれてるお店でもあるのさ。

俺がなんで親父が作った75億円の借金を背負ったかって?
そりゃ、「親父の背中はいつ見てもカッコいいな」って思ってたからさ。
「いつか親父みたいになりたいな」という憧れ。
継承者に魅力的な背中を見せないと、どんなに強制しても継がないでしょ。
だから俺の仕事は息子の雷太に魅力的な背中を見せる事でもあるんだ。

◆常盤堂雷おこし本舗
http://tokiwado.tokyo/

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