「教えない、やらせない、無理強いしない」をモットーに、子どもたちが本来備え持っている、個性や才能を伸ばす教育を行っている『天才キッズクラブ』。入園した子どもたちの多くが、驚くほどの天才性を発揮する『天才キッズクラブ』の理事長田中考太郎さんにお話を伺いました。
27時間笑顔・永遠の3歳児 こうちゃん
DAY2を読む
母におぶられて商売の英才教育!
---------田中さんは幼少期はどんなお子様でしたか?
私の両親は雑貨屋を経営していたんですけど、母は、だっこ紐で私をおんぶしながら仕事をしていましたので、僕は母が商売をする様子やお客さんとのやり取りを見ながら育ったんです。そうして母が商売で話しているのを聞くうちに、ふと気がつけば自然と計算が身についていたみたいなんです。例えば、「いくらのおあずかりで、おつりいくらね。」というような話を聞きながら、私も無意識のうちに計算能力が養われていったんですね。
---------なるほど。
あとはお父さんが簿記を付けてるところの膝に乗っかって見てたりとかね。3歳か4歳くらいには、もう自然と暗算が得意になりました。
---------ええ!?それってもう天然の英才教育ですね(笑)
そう!やはり、環境が大切ですね。その環境が今私が運営する『天才キッズクラブ』の原点となっています。子供たちは周囲の環境から自然と学ぶので、計算が得意になるような環境、本を読む環境、運動を楽しむ環境を整えることが大切なんです。
そうすることで、子供たちは確実に大きく成長するんですよ。
私は小さい頃に、両親とお客さんとのやり取りを見てきて商売の様子がとても楽しそうに見えたので、自分も同じように楽しんでビジネスをしたいと思うようになりました。
いつも笑顔でお客様とのやり取りを楽しんでいる姿は、私にとって大きな影響を与えてくれたんです。
---------なるほど~。親が楽しんでるというのがポイントですね。
親が楽しんでるのを見て、子供ながらに「僕もやりたい、将来やりたい」っていう感覚ができたんですね。
親が嫌がってやってることをたくさん見せてしまうと、逆に子供はその悪い影響を受けちゃう(笑)
多くのサラリーマンがね、家に帰ってきて、ため息をつく。(笑)そうすると、「お父さん、つらそう。」「お父さんみたいになりたくない」とか、
「お父さんの仕事はやりたくない」になっちゃう。
だから今『天才キッズクラブ』で徹底してやってるのは、いつでも「楽しい」を演出してるというか、それをやり続けてる。
演出してるうちに、そのまんま楽しくなっちゃう。
---------え?楽しまなくても、楽しんでるフリをするんですか?
そうです。楽しんでるフリをするだけで、本当に楽しくなっちゃう。脳をだますということなんですけど、それで自分が楽しくなって、それが子供に伝わる。
---------なるほど~。それは意外でした。 最初は心から楽しまなくてもいいんですね。
そうなんです。そのうちに本当に楽しくなっちゃうんです。脳科学とか、メンタルの分野でも証明されていて、楽しんでるフリをするだけで、本当に楽しくなっちゃうんです。
暗算の神様!小学校時代
---------小学校時代はどんなお子さんでしたか?
小学校時代は、母の背中で商売を見ていたおかげで、計算が得意になりました。
1年生のとき、先生が算数の問題を出すと、私はまるで水を得た魚のように、
誰よりも早く答えることができたんです。
だから、私は算数がすごい得意!そのおかげで、ある先生からは「暗算の神様」と呼ばれるほどでした。
---------暗算の神様(笑)!それはもう、調子に乗りますよね~(笑)
環境が暗算を得意にさせて、それを褒められて更に調子にのるという(笑)気が付けば、ダントツに得意でしたね。
小学校の時にその先生に「神様だ」って言われたのは、結構自分中の重要なエピソードですね。
今自分の園でも完璧にそのエッセンスを生かしてますね。みんなで褒めまくってるんです。やろうとすること、できたこと。全部褒めまくってます。
みんなその気になってる。みんな天才天才って言ってあげれば、天才になっちゃう。
「すごいね~」「かっこいいよ!」って。
「なんでそんなにできるの!?」みたいな。
「こんなの見たことない!」っていうと、みんな嬉しくなっちゃうんですよね。
神様状態を1人1人にやってあげる。(笑)
1人1人が天才。
---------小学校の時は、夢とか、こういったものをやりたいとかありましたか?
僕も自分で商売をやりたいっていう感覚ですよね。親の見てるから。
小学校4年生くらいかな~。親が商売をしているのを見て、私も「売りに行きたい」と言って、一輪車に店の商品を積んで、行商に出かけたんですよ。
田舎だったので、どこへ行っても「田中君か~、偉いな~」と褒められました。(笑)
そりゃ褒められますよね~。小さい子がお手伝いで売ってるんだから。
で、沢山買ってくれるんですよ。地域の人が。そうするとまた調子乗りますよね~(笑)ガンガン売ってた(笑)
---------なるほど~。すべて今やってる教育方針とつながってますね~。
褒められて更に伸びるというか。
6キロ走って学校に通った中学時代。結果、体力の化け物に。
---------中学校の時はどんな生活をしていましたか?
中学時代はですね~。
家から学校まで6km近くあったんですよ。
6kmなかったのかな。6km以上あると自転車で通学できる。
でも家は、ちょっと6kmには足りなくて、歩いて学校に通うことになったの。
---------6キロは遠いですね。往復で12キロ。
そう!で、朝なんて余裕持って起きないから、毎日、間に合わないって言って、走って学校通ってた(笑)
---------6キロ走ってですか!?
そう!それが今の体力を作ったんだと思う。今でも異常に体力ある。
65歳からキックボクシングはじめたりね!
---------はじめたんですか!?続けてるじゃなくて(笑)!?
そう。あとこの間もエベレストのトレッキングに挑戦したりね。
---------ええええ!?もう体力の化け物ですね!(笑)
いや~あの毎日6キロ走って学校通ってたのがよかったよね。
これも環境だよね。学校まで6キロ足りなくてよかった。自転車通学じゃなくて逆によかったなって今は思ってます。
---------早く家出れば、走る必要ないのに(笑)
自分で遅刻しそうになって、走ってるんですけどね。(笑)でも本当に環境がほんとに大事ってことですね。環境作りが。
生徒会長!なのにつまらない!?
---------中学校での生活はどうだったんですか?
学校では、がっつり理数系だよね。
小学校の暗算の神様から続いて、理数系は得意だったかな。
あと、生徒会長もやった。
---------生徒会長!?それは楽しかったんじゃないですか?
ん~あんまり楽しくなかったかな。。。
なんかあまり自由にやらせてもらえなかったし。何となくコントロールされて、やらされてる感が強くあって楽しめなかったな。
---------コントロールされちゃうと燃えない。
そうだね~。だから今うちの園のモットー「教えない、やらせない、無理強いしない」はここにもつながってるかもしれないね~。
暗算の神様からオール1の神様へ
---------高校はどんな生活をされていたんですか?
高校時代は地元の進学校に進学しました。そこではみんな大学進学を目指していたので、大学に向けた勉強が主流なのよ。
その中で「何のために勉強しているのか」という疑問を感じて、勉強に楽しさを見出せなくなっちゃったんだよね。
1年生の始めの頃は、物理や数学では成績が9段階評価で9だったんだけど、途中からその意味を見失い、授業に集中できず、
勉強もほとんどしなくちゃって、結果として、成績はほぼオール1。
---------暗算の神様だったのに。。。
今でも覚えてますけど、8クラスで383人中382位か383位。
もう完全なる落ちこぼれ。
「勉強しない!」「やりたくない!」「こんな勉強して何になる!」みたいな。
本当に「みんな天才だ。」なのか?
---------なんだか環境が悪くなってきたんですかね。進学校という環境が。。。では、その有り余る若い頃の情熱というか、若さは何にぶつけてたんですか?
部活とかですか?
ん~。野球もやってたけど、1年半位で辞めちゃった。他の学校からエースで4番みたいなのが集まってくるでしょ。そうすると、こんなうまい奴らといたら、もう気が引けちゃって。「レギュラーになれなかったら」とか、、、。そういうイメージができちゃったんですよ。
---------なるほど~。ちょっと疑問なんですけど、田中さんのモットーでは、「みんな天才だ。」とそう言っておられると思うんですけど、スポーツでも何でも、登っていけば登っていくほど、「あ、こいつには敵わないな。」っていう化け物が現れるじゃないですか。地区大会、県大会、全国大会とか、上っていったときに。
そのときに自分の才能と、どう向き合っていくのか。そこでまた勝負するのか。それとも諦めるのか。子供達が成長したときに、何か壁にぶつかったりとか。
自分の才能がないってことも、現実問題あるわけじゃないですか。身体的能力とか。そういったものに対して、どういうふうに取り組んでいけばいいと思いますか?
それはね、成功するまでのプロセスを見せればいいんですよ。だって、最初から強い人っていないじゃないですか。実は強い人も、ちっちゃい頃はめちゃくちゃ体が弱かったりとか、ひ弱だったりとかすると思うんですよね。そこから強くなっていくプロセスを見せればいいんですよ。
例えばお父さんが弱いところから強いところまで上り詰めた一部始終を見ていたら、子供は「努力すればできるんだ」っていう、ロールモデルが身近にいたら絶対違うよね。僕の高校時代の野球を諦めた経験でいうと、いきなり野球がうまい子を見て、「うん。俺は敵わないな」と思っちゃった。(笑)
でも、その野球うまい子が、上手くなっていく過程を見てたら、絶対捉え方が違うよね。
「自分にもできる。」って思えるじゃない。
だからそういう環境を与えてあげることが大事なのよ。そのプロセスを見せる。変化していくところまで、見られるような環境を『天才キッズクラブ』では作ったんですよ。
---------その過程が見られるんですか?
園児がみんな逆立ちが最初からできるわけじゃないでしょ。でも、できない子たちが見事に全員できるようになるわけですよ。
逆立ちができない子が、みんなに応援されて、できるようになっていく。
そのお友達の成長過程を見ているから、「自分にもできるんだ!」って信じれる。
そういう環境が大事だと思うんです。これがすごく大きいと思う。
【2日目に続く】
田中孝太郎氏 プロフィール
昭和33年生 長野県出身
平成3年 不動産勤務後、不動産業で独立。ほぼ同時にアパレル会社も経営。
平成21年 株式会社TKC設立。現在17の保育園と学童を運営している。
近著『「やらせない、教えない、無理強いしない天才キッズクラブ式「最高の教育」』(きずな出版)
公式サイト:https://www.tensaikids.jp/