2021 新春特別記事
今回ご紹介するのは国際文化交流舞踊団『曼珠沙華』代表であり設立者であるママローザ（藤中清永）さん。
㈱森英恵（ハナエモリ）VIVID専属デザイナーを経て20代でアパレルメーカーを設立、ヨーロッパでのショーも経験するほど活躍するも、自社ブランドが倒産。自身の生き方を変えたいとマザーテレサに拝謁し、今の活動を始めました。ハンセン氏病療養所やチェルノブイリ原発被災地などに赴くその姿勢に賛同し、国賓として招待される国も多々あります。舞踊という文化が人を慰め、国をつなぎ、時代を和らいでいく。その壮絶で壮大な藤中さんの人生を2021年初春企画として、4日間連続で配信いたします。
奇跡とは人と人との出合い
見どころ
＊結婚生活も波乱万丈…人生色々
＊名付け親でもある酒井政利様との出合いから曼珠沙華設立まで
一目惚れした相手と結婚！
20代でね、仕事もエネルギッシュでしたが恋もしました。7つ年下のいい男に一目惚れしてね（笑）。本当に女性にもてる人でね、出会った当時、他にも何人も付き合っている人がいるとわかるとね、俄然、頑張るわけです（笑）。私の性分なんでしょうかね。まあ、今は元主人ですけど（笑）。
私が「一緒に住もうね！」というと「え？」ってなってね。当然ですが。私が「嫌なの？」というと「嫌じゃないけど…」「はい、じゃあ住みましょう。」で一緒に住みました。結婚する時も私が「婚姻届持ってきたから結婚しようね！」というと、「え？」、「嫌なの？」、「嫌じゃないけど…」じゃあ結婚しましょう！って結婚しましたから（笑）。ケンカする度に「俺はお前に騙された！」って言っていました。で私は「騙されたあなたが悪い！」ってね(笑)。自分のブランドを設立する夢と、惚れた男と結婚する理想と。贅沢ですよね（笑）。
夫婦で力を合わせて順風満帆の事業拡大
彼には知り合いの会社を紹介して営業を学んでもらって、そして私のオリジナルブランド「グレープガーデン」を立ち上げました。本名が藤中でしたから藤にちなんで「グレープ」、葡萄の園と言う意味で名付けました。夫婦がうまくいっている時は本当に面白いほど儲かり、元旦那さんも、「君の作る商品はすごいね！良いデザインだね。」と本当によくほめてくれました。時代はバブルの恩恵もあって、皆が新しく、美しい洋服を求めていた時代。会社はどんどん大きくなって行きました。2人の子供も授かりながら、デザイナーや営業の社員を増やしたり、お店も東京の青山、北海道など合わせて10店舗ぐらいありました。ヨーロッパでショーをさせて頂いたりと、順風満帆でした。
時代背景というのか、遊び方も今と比べるととても派手でしたね。その頃はよく、新宿二丁目のおかまバーに行ったりしました。元旦那さんは２２歳で社長になっちゃったからですかねぇ、やはり遊びまくってましたね。それで、「お前も遊んだほうがいい」と連れてってくれたのが新宿2丁目のおかまバー、「コッコ」、「3匹の子豚」、「他人の関係」とか(笑)。今もあるのかしら。本当に楽しかったですね。やっぱりあちらの方達は、エンターティナー、おもしろいですよね。体を張って、笑わせてくれましたからね。色々嫌な事があっても忘れさせてくれる。札幌のお店に出張に行くと売上金をちょっと拝借してススキノのおかまバーに行って一晩で30万とか使ってました。下の子、夢弥(曼珠沙華、2代目座長)の胎教はおかまバーですからあの子はお芝居を教えていないのに、おかまの役がとても上手なのはそのせいかもしれません（笑）。
夫の浮気に怒り、大暴れ！
会社では営業、経理、デザイナーを雇っていました。デザイナーを採用する時は私好みのきれいな子を採用するんです。そしてその子達をデザイナーとしてかっこよく、きれいにプロデュースすることを楽しんでやっていました。自社のデザイナーとしてちゃんとやって行けるように1年ぐらいかけて育てて、私はその代わりに若い子達の斬新なアイデアにヒントをもらう、そんな交流が楽しく、やりがいも感じていました。ところがそんな中、元デザイナーの一人が元旦那さんと浮気をするわけですよ。もともと元旦那さんがモテるのはわかっていましたし、浮気されても「ま、私は妻なんだから大丈夫！」と思っていました。正直、あまり気にしてはいなかったです。また元旦那さんのすごいところは浮気しても必ず朝帰って来てちゃんとシャワー浴びて普通に出勤していましたから。それなのになぜわかったかというと営業の女の子が教えてくれるわけです。後から知ったのですが、その子も元旦那さんと浮気していて、嫉妬心からご丁寧に私に教えてくれたわけです(笑)。
この浮気がいつものとは違ったのが、この相手の女の子は私の会社の元デザイナー。社員時代に元旦那さんと浮気をした事が判明したので「人の旦那さんとそういう事をしちゃいけないよ…」と諭し、退職金を支払い、次の仕事の手配もしてから退社させた子…その子だった訳です。何が嫌だったかっていったら「ナメられた！」と思ったのが一番ですね。私のプライドが許さなかったです。落とし前つけなきゃ、私だって気が済みませんからね。彼女の家にいって、派手に暴れました。彼女の家にはね、元旦那さんのアルマーニの洋服とか、置いてあるわけですよ。ハサミでジョキジョキにしてやりました。私の買ったものですからね。でその後元旦那さんと話をしたいと呼び出し、家に帰ってくるも、また彼女の所に逃げ帰る、私が追いかける！みたいなドラマのような展開になりました（笑）。
彼女の家に着くと警察が来てました。警察からこれ奥さんがやったんですか？事情お聞きしたいからちょっと一緒に署へ…と。その時に上の娘は小学校一年生だったけれどついてきていて、「これも一つの経験だから、一緒に来る？」というと娘も「うん！」と一緒についてきました。警察にいきさつをお話しすると、「確かに奥さんちょっとやり過ぎたところもあるけど、そりゃ完全に旦那が悪い！」と、全くお咎めはなかった。その時下の4歳の子を一人でお家で留守番していることを警察官に伝えると「そりゃ大変だ！早く帰ってあげなさい」と、すぐに帰してくれました。
離婚、倒産、すべてを失う
さすがにここまで夫婦仲が悪くなったので、彼の方から「もうお前と一緒にやりたくない、俺はお前についていけなくなった」と言われたので、会社を自主倒産することにしました。まだその年の秋も注文がいっぱい入ってましたけれど、一人ではできませんから。倒産してから、社会の片隅で暮らしていた時に、あるメンズアパレルブランドの社長が2カ月かけて私を探してくれたんです。私の腕をとても評価してくれた方で、浅草橋にアトリエを作ってくれました。その方のご縁で女子プロレスラーの衣装を作ったり、芸能人の衣装を作ったりして、なんとか暮らせるようになりました。そこで、今も現役でご活躍されて去年文化功労者を受賞された、酒井政利様とご縁をいただきました。
編集部注：酒井政利様は山口百恵さんや郷ひろみさん、宮沢りえさん、矢沢永吉さんを世に輩出した名プロデューサー
ご縁と絆で曼珠沙華設立へ
本当に酒井さんには可愛がっていただきました。飲みに連れて行ってくださったり、おかまバーでは、酒井さんの前で美空ひばりさんのものまねをしたり、色々と芸を披露しました。おかまバーは私は経験豊富ですからね（笑）。酒井さんは私のことを百恵ちゃんと似てるところがあるって言ってくださったりね、顔は全然違いますけど(笑)。私は人が喜んでくれることが好きですから、「劇団でも作ろうかな」と酒井さんに言ったら「あなたなら、いいんじゃない、じゃ、名前つけてあげる」と、山口百恵さんの二十歳の記念アルバムのタイトル「曼珠沙華」にしたらと名付け親となって下さいました。酒井さんは私の芸を認めてくれたんだとうれしかったですね。酒井さんから名付けて頂く際に、「曼珠沙華とは仏教用語で、まんじゅうしゃかと読みます。よく見る赤い彼岸花はまんじゅうしゃげ、白いお花がまんじゅうしゃか、天界に咲くこの白い花を見たものはどんな悪行も離れてしまうという幻の花、そんな劇団になりなさいとお名前を頂きました。
それをヒントに曼珠沙華は、現世に竜宮城を見せ、天女が踊っているのだというイメージが出来ました。それからデビューするまで、SONYミュージックの酒井さんのオフィスで写真を撮らせて頂いたりもしました。デビューは酒井さんがプロデュースして下さり1995年1月19日、宇都宮ワシントンホテルのディナーショーとなりました。2日目に関西での阪神大震災が発生しました。震災の二日後のディナーショーtでしたから大変心配しましたが、姫路の方が大変な状況の中、わざわざ来てくださったり…ありがたかったですね…
ライター：NOZOMI 校正：NORIKO 映像：グランツ
DAY３へ続く。（ついに、ママローザがマザーテレサと出会います！）
- ママローザプロフィール：
本名：藤中清永（ふじなか きよえ）
12月18日 三重県尾鷲市生まれ
㈱森英恵VIVIDデザイナーを経て自社ブランド「グレープガーデン」を設立。
1995年1月国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」を設立。衣装、デザイン及び舞台総合プロデュースを全て自身で行う。
茶華道家、仏画師、書道家といったマルチアーティストとして活躍する傍ら、人生経験をいかして企業研修など人材研修にも力を入れている。
ホームページ：https://manjushaka.wixsite.com/manjushaka/about
ママローザインスタグラム：https://www.instagram.com/mama_rosa1218/
曼珠沙華フェイスブック：https://www.facebook.com/profile.php?id=100010549696003
