やんちゃだった子ども時代
ポールダンスとの出会い
スタジオ経営へのかじ取り
本日のスゴい人は、ポールダンスの世界大会「International Pole Championships」初参加にしてチャンピオンとなったダンサーであり、経営者でもある女性。
ポールダンスに出会ってからわずか4年で世界の頂点に輝いた彼女は、小柄で細身な普通の女性。
自分の好きを極めるとはどういうことなのか。
さあ…
曼珠沙華
maki様の登場です!
やんちゃだった子ども時代
埼玉県で生まれ育ちました。妹と二人姉妹です。
当時通っていた幼稚園が子どもに何でもチャレンジさせてくれるような変わった方針だったので、泥団子作りに熱中したり自分の背丈よりも高い竹馬で園内を歩き回ったり、とにかく走り回ったりしていました。
性格はいわゆるやんちゃな子(笑)
負けず嫌いで、男の子相手でも臆さず争って逆に泣かせちゃったりするような女の子でした。
とはいえ両親ともに教師のためか、割と様々な事をちゃんとしなければいけないという思いは根底にあって。
小さい時から今と変わらず、物事を客観的にみる側面も持つ子どもだったように思います。
様々なスポーツと出会った小学校時代
小学校では、クラブ活動で様々なスポーツ競技を体験しました。
私の小学校は縄跳びを重視している学校で、縄跳び大会や縄跳び検定に参加し、集団・個人問わず様々な縄跳びに挑戦しました。
私自身は縄跳びの学校歴代記録に入ったりもして、活発な子でしたね。
バレーボールで鍛えられた体力や精神
中学校ではバレーボール部でした。
背は高くないのでセッターやライトのポジション。
顧問の先生はハンドボールの元選手。
新任の先生でバレーボールのことはまだあまり詳しくないということで、基礎練習が多かったこともあり、やたらと体力だけはあるバレーボール部でした(笑)
今につながる基礎体力はここでついた気もします。
静と動の活動をした高校時代
書道部とダンスサークルに入りました。
書道は昔からやっていたのと、身体を動かすことも好きだったのでダンスを選んで。
今思うと自分の興味の赴くままに選択決断をしてきていますね。
ただ、ダンスはHIPHOP系だったので、リズムを取り他人と合わせることが私には難しくて、高校だけで辞めました。
映像制作に興味を持ち、表現の世界へ
高校時代から映画を観るのが好きになっていたので、大学では映画研究部に入りました。
「モノづくり」が好きだったので、はじめは小道具制作などでお手伝いできるかなと考えていたのですが、次第に映像制作自体に興味を持ちました。
自分の思い描いたものを形にする、ストーリーを空想して架空の設定をし、その結果として現実に一つの映像作品になるということがとても面白かったです。
卒業後、映像制作の会社に就職しましたが、数年勤め退職しました。
私には「正社員」はあわないなと感じて。
もともと好きだった「モノづくり」の延長で学生時代にはんこの彫刻を自分流に始めてもいました。
最初に勤めた会社をやめてから、ギャラリーを始める友人に誘われてはんこの彫刻家として個展を開いたりもしました。
自分がとことんやりたいと思えるものを探していた時代だったのかもしれません。
ポールダンスとの出会い
ポールダンスとの出会いは特別なものではありませんでした。
普通にOLとして働いていたんですが、体形が気になりだしたので、ダイエットしたいな、と(笑)
運動できる習い事を探しているときに出会いました。
1年ほど悩んだ末にようやくポールダンス教室へ入会したんです。
もともとは友人から聞いたポールダンスだったのですが、当時、教室はまだあまりなく、自分でいろいろと調べてから入りました。
2012年ですから、だいたい5年前です。
小さな教室でしたが、10人くらいの生徒さんに交じって、少しずつ技を習得するうちに、どんどんはまっていきました。
飽き症な私には、技を習得するという目の前の小さな達成感を日々得ながら進められるという点がとてもあっていました。
ポールがなくて練習できない時でも、ストレッチをしたり、基礎練習やイメージトレーニングをしたりしました。
そういった地道な練習自体も、ポールダンスがうまくなることにつながるので、とても楽しくて。
最初は、単純に今取り組んでいる目の前の技ができるようになりたいという一心でした。
徐々に教室の発表会にも出るようになり、自分の好きなちょっと古い日本映画の主題歌で自分の好きなように表現することもとても楽しかったです。
あまり知られていない面白くて素敵な曲を、私のステージを通して知ってもらえることもやりがいでした。
運命の出会い
現在ポールダンスは「ダブルス」をメインに活動しています。
相方のKeikoさんの第一印象は「フレンドリーな人」
様々な人と分け隔てなくコミュニケーションをとる明るい人だなという感じでした。
彼女に誘われて初めてダブルスを組んだのですが、性格が正反対の二人だからか、お互い
が持っているフィールドから出てくるアイデアが融合し、可能性がどんどん広がるので、とても面白いと思いました。
現在もシングルでショーや大会に出たりもしますが、ダブルスにはシングルにはない面白さや魅力がたくさんあります。
スタジオ経営へのかじ取り
2016年8月にスタジオをオープンしました。
自分自身の練習場所という意味合いも実はあって。
それまでは特に個別のスタジオのインストラクターというわけでもなかったので、いつもいつも練習場所を探していました。
「えい!作っちゃえ!」という感じでしたね。
ただ実際経営者となると、当然ながらスタジオの経営のことを考えなくちゃいけなくて。
今好きなことを仕事にしてみて、思う事は2つあります。
1つはパフォーマーとして自由にやれる。
練習場所を探したり、仕事との時間のやりくりだったりが不要になり、自分のパフォーマンスのことをメインに考えていけるようになりました。
半面、2つめとしてはスタジオ経営者として自分の練習時間の確保が難しい現実があります。
練習場所はあるのですが、他にやらないといけないこともたくさん出てくるし。
「やらなきゃいけないこと」ができるのも、練習場所であるスタジオなので。
いままで仕事と練習は完全に別ものだったので、その2つを切り分けて両立させるのが今度は難しいなと。
この点はスタジオ設立前にはまったく考えていなかったことですね。
心がけていること
観客の心に残る面白いパフォーマンスをいつも心がけています。
それは大会での演目も、イベントでのショーでも変わりません。
ポールダンスというと、まだまだ日本ではセクシーなイメージが強くて。
夜のお店で女性がなまめかしく踊っているというのが、ほとんどの人が抱くイメージだと思います。
私達が目指しているのはもっと体操に近くて、見た目だけでなく身体を鍛えてアクロバティックな表現で観客に「驚き」や「面白さ」「感動」を感じてもらうことです。
大会での採点方式は技術点、芸術点ともに求められるのでイメージ的にはフィギュアスケートが近いかもしれません。
私達は大会参加をメインに活動していますが、もちろん従来通りのポールダンスの文化も素敵なものだと思っています。
女性らしい表現ができることもポールダンスの良さだと思うので。
今はいろいろな魅力をもつポールダンスをもっと普及していきたいとも考えています。
女性だけでなく、男性も子どもも年齢も関係なく様々な人がふつうに楽しむことができるスポーツになればいいなと思っています。
取材を終えて
相方のKeikoさんとは全く違う雰囲気です。
かわいらしいルックスなのに、クールでボーイッシュ。
小さな身体で世界的な賞を数々獲得していくこのエネルギーは、Keikoさんが動ならmakiさんは静。
正反対のそんな二人だからこそ幅広いアイデアで深みのある表現ができるのかもしれないと思いました。
今後ますますのご活躍が楽しみなペアでした。
プロフィール
埼玉県出身。
経営スタジオPole & Fitness Studio Lycoris http://lycoris-pf.com/
[受賞歴]大会パフォーマンス動画 https://www.youtube.com/watch?v=3McWGsIK7Gg
Capital of Texas Aerial Championships 2017 総合優勝・部門優勝・オーディエンス賞
Miss Pole dance Japan / Pole king Japan 2017 優勝・オーディエンス賞
全日本ポールスポーツ選手権大会2016、2017 優勝
World Pole Arts Championship2017 2位
Philippine Pole Cup 2017 総合優勝&部門優勝
[主な出演]
〈定期〉新横浜大道芸パフォーマンス@新横浜ラーメン博物館
格闘技イベントZONE2017オープニングアクト
[メディア]
日テレ『第94回欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』No.28「ポールダンスでいろいろ」出場 満点・努力賞・視聴者投票2位 https://www.youtube.com/watch?v=4IbQdZmFCoQ
東京新聞『知られざる世界ランカー』掲載(2017/3/3)