世の中に「すてき」を生み出しているスゴい人!DAY1▶鈴木基博様

本日ご紹介するのは、株式会社すてきカンパニー代表取締役 鈴木基博様。株式会社サンリオでのキャラクタービジネスの経験を基に、自由で新しい「すてきな仕掛け」で社会を面白くしているプロデューサーです。安定した企業を定年退職して、独立起業したその経緯と、これからの世の中をもっと「すてき」にしていく熱い想いを2日間にわたり伺いました。

 ◆見どころ

ー小学生でNHKラジオ英語に出演するほどの英語力

ー中学生から「好き」を仕事に

ー当時はまだ非上場だったサンリオへ入社

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英語が大好きな少年だった

生まれは大田区の蒲田で、両親、姉1人の4人家族で育ちました。父が国鉄勤めだったのですが、蒲田電車区というのがあり、ここは職員の宿直所でした。父にしょっちゅう連れて行ってもらい、大きなお風呂で泳いだ思い出があります。どういうわけか私は小学校4年生の時くらいから英語に興味が出まして、NHKの基礎英語を独学で進めるような子どもでした。小学校6年生の時にはNHKラジオ英会話に小学生役で出演もしましてね。夏休みに自宅へNHKから迎えの車が来てくれ、スタジオに通いました。その当時は英語の発音が非常によかったものですから、中学校では先生に重宝がられまして、いつも先生の代わりに教科書を読んでいました。今は、たいしたことないですが()

地元の公立中学校に進んだのですが、中2で今度はゲームセンターにはまりまして、いわゆるアーケードゲームなのですが、フリッパー(=ピンボール)でよく遊んでました。僕が50円でゲームを始めるんですが、ある点数を越えると1ゲームずつ貯金が出来るようになります。十数ゲーム貯まったところで100円で大人の人に買ってもらうんですよ。50円が僕の利益です(笑)。さすがに親が怒りましてね、そんなに好きなら、もうゲームセンターで働きなさいと。母親がオーナーと直接交渉し、そこでアルバイトさせてもらうことになりました(笑)。まだ、中学生だったので、親戚・知り合いのお手伝いという意味合いでした。2階が著名人の方もいらっしゃるような、結構有名なビリヤード場だったんです。時給は当時300円くらいだったと記憶しています。

 

 

憧れのアメリカに行きたくてアルバイト三昧

高校1年生の時にはビル清掃のアルバイトをしました。駅ビル掃除もやりましたよ。ビルのテナント営業がしまった20時から開始してね。楽しかったですよ。夏はビアガーデンのボーイ。時給が良かった。塾の講師もしておりました。

その後、日本大学経済学部へ進学しました。ちょうど1年生の時に慶應大学が開催していた大学生向けのツアーへ参加できるご縁があり、初渡米しました。18歳でしたね。サンフランシスコでホームステイを1か月経験しました。今もある、グレイハウンドという会社のバスでサンフランシスコからロス、サンディエゴなどへ遊びに行きました。バスで移動しながら途中でモーテルを取って滞在したりしてね。ヨセミテ公園にも行きましたし、最後はハワイにも。今から思うととても豪華なツアーでしたが大学生向けでしたからそんなに高いものではなかったんですよ。中学2年生からアルバイトをして貯めた貯金の使い方としてはとても有意義だったと思います。

 ホームステイ先にて

まだ非上場だったサンリオへ入社

大学3年から縁あって銀座みゆき通りの会員制パブでフロアボーイをやりました。階段で地下フロアに入る、座席は20人くらいの小さな、昭和の良い雰囲気のあるお店でした。自分がお呼びしたお客さんとは一緒に飲んでも良いルールでしたので、学生ながら貴重な社会人のお話を直接見聞できたりしてとても貴重な経験でした。ギターの弾き語りの先生がいて、お客さんが歌うのに合わせて弾いたりもしたので、とても繁盛していましたね。お客さんには広告代理店の方も多く憧れていましたから、就職活動で某広告代理店から内定をいただいたのは嬉しかったですね。

ところがそんな折にゼミの教授から紹介された株式会社サンリオを会社訪問したところ、創業者でありオーナーでもある辻信太郎社長と直接お話しをする機会がありまして、その話にとても感銘を受けたんです。「人は一人では生きられない」とか「Small Gift, Big Smile」などの言葉です。ちょっとした日々の感謝の気持ちを表す文房具や小さなグッズにカードを添えて贈りあう。この文化が広まればもっと社会は良くなるのだと。だからうちはお子様でも買える小さな消しゴムやプレゼントに添えるグリーティングカードをとても大切に販売しているんだという想いでした。当時の株式会社サンリオはまだ上場する前で、無借金経営をしている中堅の企業でした。この会社で働きたい!と強く思いました。両親は大手の広告代理店に就職するとばかり思っていたので当然びっくりしましてね(笑)。どんな会社なのかと、とても心配していました。サンリオ入社前に会社がその年の新入社員100名の家族を集めてパーティを開いてくれました。辻社長が各テーブルを回って挨拶をして下さって、大切なお子さんをお預かりします、お任せくださいと。両親もそれで安心してくれました。ゲストは当時大人気グループだったゴダイゴ。びっくりするようなパーティでした。その帰り道に父親から「お前、良い会社入ったなー。」と言われてとてもうれしかったです。

 国内外で急成長を遂げたサンリオの歴史を支えた

女性が多い職場で人間関係の難しさを学ぶ

配属先は直販部という部署で、入社したら社員はすぐに店長になるための修行を開始します。サンリオはケンタッキーフライドチキン(KFC)の運営もしているので私も1か月間、KFCの川越店でフードの研修をしました。マニュアルを見ながらずっとチキンを揚げていました(笑)。新人社員とはいえキャリア十分のアルバイトさんにはとても敵わなかったですね。その後は今もある新宿のギフトゲート店に研修店員として配属されました。当時の店長はとても優秀な方でしたし、スタッフもとてもたくさんいるサンリオでも最大規模のお店でした。サンリオは今でもそうですが女性が圧倒的に多い会社で、当時は店舗の社員のほとんどが女性で男性は一人か二人くらい。その後私はとある都内のお店に店長として配属になったのですが、女性の店長代理が非常に優秀な方で、よく叱られました(笑)。どうしたら店長としてスタッフの信頼を得られるかを毎日思考錯誤しました。開店時間にはエアコンが効いて、皆が快適に過ごせるようにと早く出社したり、店舗営業中は店舗のことに集中し、閉店後に膨大な事務作業を終わらせるようにしたりして。体重は7KGくらい減りました。新人の店長としてベテランスタッフとの信頼関係を構築することの難しさのようなものを学びましたね。

(2日目に続く)

ライター/MAHO 取材・校正/NORIKO 映像/グランツ株式会社

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◆鈴木基博氏プロフィール

 東京都出身

株式会社すてきカンパニー代表取締役

1980年 日本大学経済学部卒業

同年 株式会社サンリオ入社

2018年 株式会社すてきカンパニー設立(至現在)

 

 

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