創業350年の老舗金魚卸問屋を受け継ぐスゴい人!

お祭りの縁日の“金魚すくい”でおなじみの金魚。
一度は飼った事があるという方も多いのではないだろうか?
金魚の歴史は古く、室町時代に中国から伝来。
江戸時代にはブームになり、明治時代には富裕層から花柳界へと広がり、その後、一般庶民の家庭でも飼われるようになった。
本日登場するスゴい人は、東京・本郷という都心の地で江戸時代より350年も続く老舗の金魚卸問屋を受け継ぐスゴい人。
350年もの間続く老舗を受け継ぐ女将の想いとは?
さあ・・・金魚坂 代表取締役 吉田智子様の登場です!

「金魚は伝統」

金魚屋は、全盛期でも東京に21軒だけ。
その中でも一番古いのが金魚坂です。
私がお嫁に来る前には戦争で店が丸焼けになったそうです。
その時、先代である夫がとっさに持ち出したという明治時代から受け継いでいる金魚の番付表は、今でも店に飾ってあります。
お嫁に来た頃は、夫も私もまだ学生でお金が無くていつも困っていました。
当時は戦後でしたから、戦争でご子息を亡くして働き手がいないといって露店商のおじさんが血を売って金魚を買いに来ていました。
おじさんに「ご飯はどうするの?」と聞くと「金魚の餌をご飯にかけて食べる」と言うので、「家でご飯食べてから行きなさい」って自分たちが食べるご飯もおじさん達にあげていましたね。
うちは問屋ですから自分たちで売りに行くわけにはいかないので、自分たちの事は後回しにして売りに行ってくれる人たちを大切にしてきました。
昔は、金魚を人にあげると縁がつながると言われていたり、幸運の魚と言われていたりしました。
どこの家でも金魚を飼っていて、50人の金魚売りが金魚を持って出ても午前中にはすべて売り切れてしまうほどでした。
でも、熱帯魚ブームの影響などもあって徐々に金魚離れが進んでしまいましたね。
私の代で始めた喫茶店は、もとは金魚の池だったところの土台をそのままに、壁を立ち上げて建物にしました。
友人たちに声をかけて寄り集まって、喫茶店を始めようということになったんです。
今はスピード時代ですが、金魚は今も昔も同じ速さで泳いでいます。
昔と変わらない金魚を見て癒されていただこうと思って、金魚を見ることのできる喫茶店にしました。
金魚は、浮世絵にも描かれているほど長い歴史がある日本の伝統文化の一つです。
金魚を飼うと愛情深くなり、「生き物をかわいがる」という心も育まれます。
みんなに見て好きになってもらいたいという気持ちで、お店のある文京区の小学校に
金魚よりも飼いやすいメダカを寄付しています。
金魚は暑くても寒くても生きられますし手もお金もかかりませんので、皆さんにもぜひ金魚を見て理解して飼ってほしいです。
長い歴史があり、先祖の力で何代も続いていますので、ここで止まるわけにはいきません。
孫と「金魚は辞められないね」と話していますので、これからも日本の伝統文化である金魚を守り続けていきます。

◆金魚坂ホームページ
http://www.kingyozaka.com/

◆江戸創業金魚卸問屋の金魚のはなし
http://www.amazon.co.jp/dp/4800301599

※上記サイトは、一部携帯では見られない可能性があります。

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