野球界で最初にメンタルトレーニングを取り入れ最高出塁率のタイトルを獲得したスゴい人!

大学時代、打率3割3分を記録し首位打者にも選ばれ、5季連続でベストナイン入りし、ドラフト一位で日本ハムファイターズに指名された。
その後、華々しくプロ野球選手としてデビュー。
しかし、プロの世界の勝負の厳しさとあまりのプレッシャーの大きさに、スランプに陥ってしまった。
彼はどのようにしてそのスランプを脱出したのか?
さあ・・・プロ野球解説者 白井一幸様の登場です!

「メンタルトレーニング」

日本ハムファイターズからドラフト1位の指名を受けて入団しました。
学生時代も「練習は嘘をつかない」をモットーに努力をしてきたので、プロでもやっていける自信がありました。
しかし、実際に入ってみると、周りの選手のレベルが圧倒的に高い。
それに、毎日が真剣勝負の試合の連続。
その緊張に押し潰されそうになりました。
緊張を跳ね返すために、練習をする。
だけど今度はオーバートレーニングになってしまって結果が出ない。
結果が出ないから練習に逃げる・・・と悪循環に陥っていたのです。
「学生時代は緊張を力に変えていたのに今は緊張が怖くなってしまっている」と悩んでいました。
4年目を迎え、オーバートレーニングの影響もあり怪我をして入院しました。
その時に、メンタルトレーニングの本に出会ったのです。
「緊張は達成意欲や責任感が強いから起こるのでそれ自体は悪いことではない。
コントロールできないのが問題である。
心はコントロールできないけれど頭と体はコントロールできるから、もしパニック状態になっても呼吸を整え今何をすべきかに集中すれば、緊張を大きなパワーに変えることができる」と書かれていたのです。
「自分が必要としているのはこれだ!」とピンと来ました。
復帰後の試合で自分の打席が近づいてくる時に、
「緊張を認めろ。今自分がするべきことは何か?球を打つことだ」
と自問自答をしていました。
そうしたら驚くほどプレーに集中できるようになったのです。
成績も飛躍的に伸びていきました。
このメンタルトレーニングは、コーチになり選手を指導する上ではさらに役立ちました。
日本一を目指すという目標を決め、ミスをしても励まし、その原因を本人に気づかせ、自主性を促すというコーチングの手法を取り入れたのです。
それまで野球の指導と言えば、ミスをすれば叱責し、とにかく練習をさせるというものでした。
でも、これをしても選手は萎縮してしまうし上手くならないんです。
2001年、2002年となかなか結果が出ず球団の内外からも大バッシングされました。
選手を手取り足取り指導するスタイルではなかったので、仕事をしていないように思われたのですね。
悔しかったですが、諦めませんでした。
選手もよくついてきてくれたと思います。
その結果、2006年には44年ぶりに日本一になれたのです。
この時は本当に嬉しかったです。
これからはこのメンタルトレーニングを日本の野球界全体に広げ、野球界に貢献していきたいと思います。

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