かつて我々に身近であったオーディオカセットテープや、3.5インチのフロッピーディスクに利用される金属部品などで精密スプリングの加工技術を駆使して、世界一のシェアを誇る商品を作り続けてきた企業を率いるトップが本日登場する。
彼はアメリカ、ヨーロッパ、アジアに工場を設立し、会社のグローバル化を実現した。
現地法人を設立するにあたって、他の日本企業が実践していない経営手法も色々採用しているという。
その独自の経営手法とは?
さあ・・・株式会社アドバネクス 代表取締役会長兼社長 加藤雄一様の登場です!
「挑戦」
精密部品に組み込まれる精密スプリングは、図面通りに作っても、製品を組み立てる自動機械を通した時にはじかれることがあります。
完成品の性能だけでなく、組立てのしやすさなども考慮した製品を「美しい」と考え、我々は、その美しいスプリングを作ることに全力を挙げて取り組んでいます。
自分の仕事に誇りを持ち、一つ一つの仕事に魂を込め、日々挑戦しています。
アドバネクスはアメリカ、ヨーロッパ、アジアに現地法人を設立し、それをネットワーク化しています。
それぞれの現地法人は、経営トップを含めて国籍に捕われず適任者を任命しています。
その結果として、グループ会社の殆どが現地の人によって運営されています。
私は、入社した時に、出向社員の第一号としてアメリカに渡りました。
その頃、現地のことを本社に報告しても、現地を知らない本社の意思決定はタイムリーでなかったり的外れであったり、何度も歯がゆい思いをし、挫折感も味わいました。
そんな経験から、私が会社のグローバル化を担当することになった時、「現地の事を良く判るのは日本人とは限らない」という想いを強く持っていました。
その結果、多くの日系メーカーがするように責任者を日本人にすることをせず、適任者を選んだ結果として、殆どのケースで現地の人に全てを任せる形になりました。
現地のよく判る人にオペレーションを任せると、それぞれの国の国柄や地元の社員に合った改善提案も自然に上がってきます。
例えば、国際標準規格のISO9000が日本で普及していない時にイギリスの工場が真っ先にその認証を取得し、その価値をグループで学びました。
全社で認証取得しよう、という活動が盛り上がり、本社もその流れに乗って活動し、その認証取得では日本のスプリング業界で第一号と聞いています。
日本の本社が全てを指示命令するのでは無く、それぞれの国のいいところを学び合って切磋琢磨しています。
会社の経営として辛かったのは、中越沖地震によってメイン工場が壊滅的なダメージを受けた後のリーマンショックの時です。
多くの社員の大変な苦労によってその時期を乗り越え、会社として本当に強くなったと感謝しています。
製品の質は上がったし、営業と生産メンバーのチームワークが向上し、この苦難の時期に会社全体に一丸力と呼べる一体感が生まれたのです。
私たちは、世界一の精密部品メーカーを目指しています。
生産している部品の一つ一つでそして私たちの提案で世界のお客様に一番喜んで頂けるよう、チャレンジ精神と誇りを持って事業に取り組んでいます。