NHKメディアテクノロジーという会社は、NHKの放送技術・コンピュータシステムの中核にある会社。
日本の放送に関する先端技術が集結している会社である。
ひたすら追い求めてきた「新たな価値を生み出したい」という思い。新しい価値を追い求めてきたからこそ変化という時代がこの人物を求めたのでしょう。日本のメディアをリードするNHKの技術トップに上り詰めたスゴい人。
彼の仕事に対する信念とは?
新しい価値を生み出し続ける思考法を披露していただきましょう。
さあ・・・株式会社NHKメディアテクノロジー代表取締役社長、西山博一様の登場です!
「ギザギザでいい、我武者羅でいい、新たな価値を創造しよう!」
電気工学を大学で学び、メディアに興味を深め、NHKを就職先に選びました。
福岡放送局に配属となって最初の大きな仕事が福岡国際マラソンでした。
2時間半の中継のための分厚い計画書を渡されましたが、複雑過ぎて何が何だかさっぱり分かりませんでした。
実は、自信過剰家の男とよく言われ、今でも周りの人達からは「オマエは、いつも1番が好きだよねー」と言われますが、この時ばかりは何も知らない自分を痛感しました。でも、落ち込むことなく、分からないことが逆に私の興味を刺激しました。私がマラソン中継での電波干渉を防止する実用新案特許を取ったのは、こうした新人の頃です。
自分が知らない、分からないことを1つ1つクリアにしていくと、周りからも期待されます。
期待されているなら、それに応えなくてはならない。期待され、応える…という繰り返しの中から、必ずしも完璧ではないかもしれないが、何か新たなものを開発することに喜びを感じるようになりました。
今私は、「メディアコンプレックス」という言葉を使っています。放送と通信が融合したり、放送と医学が連携したり、多種多様なメディアが有機的に組み合わされることで新たなメディアが生まれるものだと考えています。
これまでは、X軸に「技術」「時間」があり、Y軸に「解像度」「品質」がありました。
しかし私たち、メディア技術者が忘れてはならないのがZ軸。Z軸に人間の「受容能力」「感性」を意識することです。X軸とY軸の発展が、Z軸の進化とともにダイナミックに世界が広がっていくんです。
私は、tele「遠く」をvision「見る」という「テレビジョン」から、tele「遠く」をsence「感じる」という「テレセンス」へと進化していく可能性を強く感じています。
「テレセンス」は五感に訴えかける未来の姿です。
ハイビジョンの16倍の解像度のスーパーハイビジョンは、見る人により多くの感動を与えられるようになります。
将来はメディアの技術開発が他の分野と手をつなぎ、新しい可能性が生み出されていくことは間違いありません。
私は技術を使って、こうした世界を現実のものとしたい。その目的は、人々に喜びや幸せを感じてもらうことです。
私がモットーとし、追い求めてきたのは『価値創造』です。
若い皆さんに言いたいことは、ギザギザでいいんです。我武者羅でいいんです。
まずルールを覚え、遠慮することはありません。大いにルールを変え、新たな価値を創造していきましょう。