“日本橋さるや”
宝永元年(1704年)創業の、日本で唯一の楊枝専門店である。
その楊枝は、黒文字という樹を用いて、職人の手によって1つ、1つ丁寧に作り出される。
創業以来、変わらぬこだわりを持つ究極の楊枝である。
300年以上の伝統を受け継ぐ責任を教えていただきましょう。
さあ・・・株式会社さるや 代表取締役社長、山本一雄様の登場です!
「伝統を受け継ぐ責任」
大学を卒業して、三菱化学(旧三菱油化)で6年間サラリーマンとして働きました。
家業を継ぐことは決めていましたが、人様に使われる経験をしないと、良い経営者になることはできないと思っていました。
30歳を前にして結婚しそれをきっかけとして、さるやに戻りました。
さるやに戻って手がけたことは、先代が多角化をしようとして、駅ビルなどの商業施設に出店していた売店の数字を大きくすることでした。
バブルの頃は、商品を並べるだけで飛ぶように売れていき最盛期には、7店舗を出店していました。
しかし、バブルの崩壊とともに売れ行きが悪くなりました。皮小物やバッグは景気の波に大きく左右されてしまうので、商売が難しいのです。
何でも同じかもしれませんが、オンリーワンかNo.1でないと生き残れないのです。
そこで、もう一度原点に立ち戻り、楊枝一本で行こうと決断をし、徐々に店を閉鎖していきました。昨年、最後の1店を閉めました。
さるやの楊枝は黒文字の樹にこだわり、職人が1つ、1つ手作りで作っています。熟練の職人でも一日2000本しか作れません。
当然その分コストも上がってしまいますが、しなやかで、コシがあり、口に入れた時に清涼感が広がる楊枝が出来上がります。
創業以来300年間、一度も変わることのない、こだわりです。
多くのお客様は、さるやの商品を信頼して購入して下さります。長年お付き合いさせていただいている方も多数いらっしゃいます。
期待を裏切らないように、まちがいの無いモノを作り続けないといけません。
たかが楊枝、されど楊枝です。
それが、伝統を受け継ぐ責任だと思って日々行動しています。