大不況が叫ばれる中、行列が絶えない寿司屋がある。
「すしざんまい」
寿司屋の常識を破る、年中無休24時間営業。しかも、明朗会計。
この10年あまりで46店舗もの急拡大を成し遂げた。
しかし「すしざんまい」が誕生するまでには、事業の撤退を考える程の大きな壁が待ち構えていたという。
どのようにして、壁を乗り越えたのだろうか?
さあ・・・株式会社喜代村 代表取締役社長 木村清様の登場です!
「壁は先に進める予兆」
水産関連の会社を起業した後、これまでに、レンタルビデオやカラオケボックス、弁当屋などおよそ90余りの事業を手がけてきました。事業は全て成功し軌道に乗っていました。
そんな中、私の不在中に、メインバンクが妻に偽って書類にハンコをつかせました。
後でそれが、融資の一括返済の書類だとわかり、頭が真っ白になりました。
2,000万円を一気に返さないといけない。
バブルがはじけて融資を受けていたメインバンクの業績が急激に悪化していたのです。
このことで妻を責めてしまい、妻に泣かれてしまいました。妻を泣かせてまで続ける必要はないと、事業を辞めて、人に譲ろうと決意しました。
そうしたら、周りの仲間が、資金を提供してくれたのです。
事業を清算し、手元に残った200万円の元出で、“すしざんまい”の前身である、『喜よ寿司』を出店したところ、これが当たって年間利益が2,000万円。
それらの仕事ぶりが評価されて、築地の関係者から、『築地に客を集めて欲しい』と依頼がありました。今でこそ年間来場者は800万人を超えていますが、10年前は150万人を切っており、危機的状況でした。
そこでマグロを売りにした24時間営業の寿司屋“すしざんまい本店”をオープンさせました。
当時の寿司屋には日によって値段がかわっていたり、時間によっては閉まっている、といった問題点がありました。これではお客さんが不便ですよね。
“すしざんまい”では『いつでも、おいしいお寿司をリーズナブルな価格で提供したい』と、1日に4~6回の仕入れをしたり、海外でマグロの備蓄をしたりと新鮮でおいしいお寿司を食べていただくために色々な工夫をして営業しています。
寿司屋もこの10年で5万店から1万5千店に減り、寿司職人が激減しているので、喜代村塾という寿司の学校を作って、寿司職人も育てています。
壁にぶち当たった時は、自然に涙がこぼれるような心境です。
でもあきらめたら、そこで終わり。
実は壁にぶつかるということは、先に進めるという予兆なんです。
もう一歩だけ進んでみると、きっと道は開けると思いますよ。