
誘惑の多い現代、子供の頃の夢を叶えた人って本当に芯のある人だったのだろう。よほど志の大きい夢を抱いていたのだろう。田舎町で見ていたブラウン管の中のヒーローに憧れ、彼はプロレスラーになり未来のプロレス業界を創っていく。坂田“ハッスル”亘。彼の強さを裏付けるのは限界突破をいとわない精神力と神と崇める師、前田日明への絶対的な忠誠心。プロレスラーの中のプロレスラー。“侠”。ハッスルMAN'S WORLD代表 坂田亘様の登場です。「美しいものが勝つ」今、思うと、地元への思いは皆ひっくるめて愛、なんだけど、小中学校の頃は隣の学校のアイツらよりも絶対強くなる、なんて思ってケンカに明け暮れました。一方で、将来はプロレスラー以外に道はないと中学生の時に決めていました。強く憧れていた前田日明さんの道場の門を叩き・・・前田さんが僕の人生を変えてくれました。早朝から深夜までの想像を絶する過酷なトレーニング。疲れ果てて気絶するかのように眠る。この繰り返しの日々。あまりにもしんどくて、着いていくのにやっと。他の事なんて、何も考えられない。血が滲み手の皮が剥れるほどのトーレーニング、毎日何度繰り返し訪れる、限界を突破すべき瞬間。プロレスラーになる以外に道はないと純粋に思えたから、ただただ、与えられた試練を乗り越えるしかない。私の中に逃げるという選択肢はなくここにいる以上は、やるしかない、そう思うと限界は突破できた。邪念がないというか、それだけ素直でまっすぐだったのかな。陰で怠けている人、できない、と口にした人が次々と姿を消し、プロテストに合格した時には、当初100人程いた同期はたった2人に。そしてデビューして暫くして、ようやく少し振り返る余裕ができて、こんなに強くなれていたんだ・・・って感じでやっと「ああ、あのとてつもなく厳しかった練習の成果はこれっだのか」と、感触として解った。デビューは決してゴールではなく、時代背景とともに歴史を刻んでいくプロレス業界。プロレスって日本が高度経済成長のときにめっちゃ必要だったスポーツ。今一度伝えたい。現役で満足がいくまで、体も心も張って業界を盛り上げてリタイアしたら後輩をしっかり支えたい。今の時代、豊かで誘惑も多くて、何がしたいのか判らなくなりがちだけど、他人が引かれるものや、目移りするものに気をとられる前に自分を見つめる。自分を大切にしてやるべき事をできていなかったら人を幸せにはできない。自分の芯を一本通します。そうでないとレスラーとしてなめられる以前に人としてなめられる。私はこの姿勢を凛、と美しく最後まで貫き通します。