
夢をビジネスに!日本を元気にしたい!そんな想いで始めたビジネスが、京都ビジネスグランプリで優勝。支援してくれる仲間もどんどん増えている。今日の男は“農業をもっと身近に”を合い言葉に、難しいと言われ続けている農業をビジネス化した。決して平坦な道のりではなかった。しかし、結果として農家の役に立ち、耕作放棄という大問題が解決されつつある。日本の農業を救うソーシャルベンチャー!時代は“自産自消”の世の中へ・・・さあ、西辻一真様の登場です。「人と自然をつなぐシゴト」“あれ?田んぼ、今年はしないの?”私の原点はこの疑問から始まっています。私の生まれは福井県三国町、東尋坊で有名な田舎町です。通学路の風景で疑問に思ったこと、それがその言葉でした。当時の私は、減反政策、農家の高齢化や担い手不足など知るはずもなく、単純にもったいないという発想から作物をどんどん植えようと思いました。それが現在の事業につながっています。私は農家ではないため、幼少期に家の裏庭で家庭菜園をしていたレベルでしたが、その経験が逆に活きていて、「食糧生産」のみを目的とした農業ではなくて、「文化を楽しむ」農業に食糧というプラスワンのご褒美がついた農業をしようと思いつき、現在は「マイファーム」という休耕地を再利用して管理指導付きの市民農園を全国で展開しています。もう一度その場所で「agriculture(農業) = agri(食)culture(文化)」の均衡のとれた新しい農業を展開して、企業の理念である自産自消の文化を社会に広めたいと思い、奮闘しています。しかし、市場のない世界を歩み創っていくことは大海を泳ぐ魚と同じで困難の連続です。一番の困難は、休耕地を持っている農家さんを説得できなかったこと。起業後半年間は農園数が0で誰も耳を貸してくれませんでした。その理由は「農地という宝物を知らない人に管理してもらうことは自分にとっても地域にとっても情けないことである」という概念でした。それを乗り越えるきっかけは「信念」と「仲間」と「酒」でした。毎日のようにその地域で農家さん宅に訪問をして信念を語り、仲間を増やして、酒を酌み交わす日々が続き、農家の集まる酒宴でみんなの前で信念を演説させてもらった時から、徐々に休耕地を管理させてもらえる話が進んでいき、農園が動き出しました。最初の扉を開くこの難しさとやりがいは、今日現在のマイファームを創っている原動力です。今でもその方々との酒宴は大事にしていて、夢を語り、起業の原点を感じて明日へと歩んでいます。