決して恵まれた環境ではなかった。
でも、彼女は諦めなかった。
幼き頃に夢見た仕事がしたい!
ニュースなどで見る映画の試写会や発表会。
その大舞台に司会者として、インタビュアーとして立っている彼女。
幼き想いを胸に信じ続けた結果、たどり着いた場所。
あの頃夢見た舞台。
硫黄島からの手紙、沈まぬ太陽、
この作品の司会をした時は、いつも以上に武者震いがし、夢を叶えたことを噛みしめられた。
信じて、信じて、信じ切る。
さあ、幼き夢を叶えた伊藤さとりさんの登場だ!
「自分を信じ、自分の夢を信じる」
私の原点は、日曜洋画劇場の解説者淀川長治さんを見たこと。
これから放送する映画を見たい!と思わせるトーク。
小さい頃は決して裕福な家庭じゃなかった。
厳しい父が唯一、許してくれたテレビが映画だった。
食い入るように見た。
高校の時も、ただ、映画がただで見られるという理由だけで映画館隣のカフェでバイトした。
自宅の事情から大学は諦めた。
どうせ働くなら映画に関する仕事がしたい!
でも、高卒の自分には世間は甘くなかった。
やっとのことで一般企業に入社。
でも、映画への想いは諦められなかった。
アルバイトで試写会の司会などがあれば、誰よりも強く希望して担当させてもらった。
20歳。
本当は結婚するはずだった。
でも、相手は大阪の人。
大阪に行ってしまうと映画の仕事がなくなるという恐怖心で突然、婚約を破棄してしまった。
相手には申し訳ないし、両親にも猛烈に怒られた。
家を出た。
パンの耳をかじりながら、それでも、映画の仕事を探し続けた。
今では夢に描いていた通りに、映画の記者発表や試写会に呼んでもらえるようになった。
強く、強く、夢を追う。
いつか見た、淀川さんのように映画を愛で紹介し、みんなが見たい!と思えるように
映画を紹介し続けていきたいです。